舞浜海洋国家

ほぼフォートレス・エクスプロレーションのファンブログ

『東京ディズニーシー くわしすぎる大図鑑』の疑惑について

こんにちは!つばさぬです。

昨年は、個人での同人誌作成や大学の卒業論文に追われていまして、あまりブログの方を更新できずに申し訳ございません。

正直今年についてもしっかり更新できる自信はありませんが、気長に楽しんでいただければと思います。

といいつつ、今年最初の記事はタイトルにもある通り、こんなんですが。

 

もっと知りたい!東京ディズニーシー くわしすぎる大図鑑

さて、昨年8月に『もっと知りたい!東京ディズニーシー くわしすぎる大図鑑』というガイドブックが出たのは記憶に新しいと思います。

定価3,520円(税込)とガイドブックにしては中々良いお値段。

cocreco.kodansha.co.jp

東京ディズニーランド版は既に世に出ていたものの、今回ディズニーシー版が出るということで話題になりましたね。

昨今、ミステリアスアイランドからプロメテウス火山の名前が消えたり、公式HPの各アトラクション、レストラン、ショップの記述が大幅に更新されたりと、良いか悪いかは別として、運営側が何等かの形でBGSに注力していることは明らかです。

昨年出た『くわしすぎる大図鑑』もその流れにあったかはわかりませんが、本書はこれまでの書籍の中でも類を見ないほど、各アトラクションの情報を徹底解説しており、まさに「くわしすぎる」一冊となっています。

既にお手に取った方なら共感していただけると思いますが、そういう意味で本書はBGSを網羅的に知りたいという方や、知るきっかけとしたいという方にとって非常に有益なものだと思います。

 

疑惑

それでは本題に入りましょう。

『くわしすぎる大図鑑』の特徴の一つに、「※編集部調査」と書いてある記述があることが挙げられます。

恐らく、本書を書くにあたって編集部が新たに調べあげたことを述べている箇所に書かれているのでしょう。

これまでの公式ガイドでは、毎回同じような内容が伝統的に書かれているのみだったので、その枠組みを超えて、更に詳しい記述をしようという姿勢が見られるのは、大変好ましいことといえます。

 

......書かれている情報が正確である限りは。

 

このブログは、ほぼフォートレス・エクスプロレーションの専門と化していますが、『くわしすぎる』のフォートレスのページを開いてみると、4ページにわたってかなり詳細な記述がされていることに気が付きます。

特に「※編集部調査」と記載のある箇所は非常に見応えがあります。

これだけ見ると私のようなフォートレス好きにとっては、かなり良いことに思えますね。

問題は以下の「エクスプローラーズ・ホール」に関する記述です。

チコ・ブラーエがたどり着いた地球を中心とした「チコ体系」。その下に描かれているのは六分儀、黄道式渾天儀、方位角四分儀

『もっと知りたい!東京ディズニーシー くわしすぎる大図鑑』講談社(2025)14頁

この情報だけでも、エクスプローラーズ・ホールの壁画についてのかなり細かい記述がされていることがわかります。

では、続いて弊ブログ「舞浜海洋国家」における同箇所の解説を見てみましょう。

左から、台座付きの六分儀、黄道式運天儀、方位角四分儀であると思われます。

舞浜海洋国家「エクスプローラーズ・ホールで見る地中海の歴史」2022-03-15(最終更新日:2025-03-18)

記事の該当箇所

お気づきのことと思いますが、壁画に書かれた器具の説明が明らかに似通っています。使用している言葉はほぼ同じです。

しかし、これだけを見て私の記事をパクった!と言うつもりはありません。

というのも、私の記述は下記リンク先サイトに記載の情報を見て書いているからです。

asait.world.coocan.jp

asait.world.coocan.jp

したがって、『くわしすぎる』の編集者も同じサイトを参考にして記述をした可能性も全く無いとは言えません。

そもそも私も、情報の出典を明記しなかった落ち度があります。

ということで、今回の『くわしすぎる』と舞浜海洋国家の記述の類似は、たまたま同じサイトを参照した結果だと考えられます。

 

しかし、出版社側がパクリをしていないという結論に至るのはまだ早いです。

 

疑惑その2

『くわしすぎる』のエクスプローラーズ・ホールの記述にはもう一箇所怪しいところがあります。

それが以下の記述。

レオナルド・ダ・ヴィンチが考案した発明品の翼、はばたき機、プロペラエンジンなどのようだ

『もっと知りたい!東京ディズニーシー くわしすぎる大図鑑』講談社(2025)15頁

そして以下が弊ブログの記述です。

ダ・ヴィンチの手稿に描かれていた、翼、羽ばたき機、プロペラエンジン、戦車などが描かれていますね。

舞浜海洋国家「ルネサンスから見るメディテレーニアンハーバー」2023-05-31(最終更新日:2025-05-26)

記事の該当箇所

「戦車」への言及を除き、名詞の書き方や順番までそっくりであることがわかります。

「翼」「はばたき機」という用語はよく使われる一般的なものであるためさておき、注目したいのは「プロペラエンジン」という記述です。

これもたまたま同じ記述を参照したのでは?と思われるかもしれまん。

しかし、驚くことに私自身なぜこのようなフレーズを書いたのか一切心当たりがないのです。

(驚いている場合ではない)

「プロペラエンジン」の謎

実は、「プロペラエンジン」という記述は検索しても全くヒットしないどころか、一般的な言葉ですらありません。

そのため、記事を書いた私自身、先ほどの壁画の何を指してプロペラエンジンなどと言っているのかもわからないのです。

そもそも、当該記事「ルネサンスから見るメディテレーニアンハーバー」は私が高校生の自由研究のときに作成したものを土台としています。

当時の作成資料

一体高校生のつばさぬが何を参考にしたのか。

その秘密を探るため、当時参考文献に使用したレオナルド・ダ・ヴィンチの書籍を参照すると、以下のように書いてありました。

この空気スクリューはヘリコプターと呼ばれているが、構造からしてきちんと動作もしないし、今日でいうヘリコプターの原理も備えていない。パリ手稿Bを3ページさかのぼったところに、技術的にみてヘリコプターに近い機械の研究がある。

ドメニコ・ロレンツァ、マリオ・タッディ、エドアルド・ザノン(著)松井貴子(訳)(2007)『ダ・ヴィンチ 天才の仕事―発明スケッチ32枚を完全復元』二見書房 48頁

ここに記載されている「ヘリコプターに近い機械」という内容が、「プロペラエンジン」という記述に影響を与えた可能性が考えられます。

文献に記載の「パリ手稿Bを3ページさかのぼったところ」とは、恐らくパリ手稿 80r ※のこと、エクスプローラーズ・ホールでは以下の壁画の元ネタです。

恐らくこれが「プロペラエンジン」

というわけで、「プロペラエンジン」という言葉は、前述のような記述を元に、高校生つばさぬが勝手に作り出した言葉の可能性が高いと言えるでしょう。

当然、確証のない情報をネットの海に放流した私にも落ち度が無いとは決して言いません。このことに関しては私が悪いと言わざるを得ません。

しかし結果として残念ながら、もし今回の推察が正しければ、『くわしすぎる大図鑑』は完全にクロとなってしまいます。

皆様はどうお考えになるでしょうか?

それともし、「プロペラエンジン」という記述に心当たりがある方がいらっしゃればご連絡いただけると助かります。

 

※参照:斎藤泰弘(2019)『誰も知らないレオナルド・ダ・ヴィンチNHK出版


他にも......

以上のように、残念ながら『くわしすぎる』は私の記事をパクった参照した可能性が非常に高いのですが、その上で改めて書籍を確認すると他にも怪しい箇所があります。

チェインバー・オブ・プラネットのパネルに書かれた図の説明文を見てみましょう。

コペルニクスの体系を表した図。中心に太陽、その外側に水星・金星・地球・月・火星・木星木星の軌道、木星の衛星、土星の軌道、土星の衛星が描かれている。

『もっと知りたい!東京ディズニーシー くわしすぎる大図鑑』講談社(2025)17頁

そして以下が弊ブログの記述。

コペルニクスの体系を表した図になっている
中心に太陽があり、その外側に順に水星の軌道(もしくは天球)、金星の軌道、地球の軌道、月の軌道、火星の軌道、木星の軌道、木星の衛星、土星の軌道、土星の衛星、と書かれています。

舞浜海洋国家「チェインバー・オブ・プラネットを探求する」2023-04-20(最終更新日:2025-08-27※)

※本文の最終変更日

記事の該当箇所

こちらはプロップスに書かれていたフランス語を翻訳しただけなので、疑うのは無理があるかもしれません。

しかし、書き方や表現が似ている上、私個人的には「軌道」ではなく「天球」と訳す方が正しいだろうという結論に至っています。(なので昨年出した同人誌では訂正しています。)

翻訳ミスでさえ同じであるのは流石に怪しいですよね......。

他にも、『くわしすぎる』のアルケミーラボラトリーの箇所の以下の記述。

高度な技術と知識を必要とした、この錬金術ルネサンス期に最盛期を迎えた立派な学問のひとつだった。

『もっと知りたい!東京ディズニーシー くわしすぎる大図鑑』講談社(2025)16頁

そして弊ブログ。

 今でこそ錬金術はいかさまの魔術だと評されますが、当時は立派な学問の一つであり、現在の化学の礎となっているのもまた事実だと言えます。(中略)高度な思弁と技術、物質の化学上の性質と変成に関する知識を必要としたこの魔術は、ルネサンス期に最盛期を迎えたとされています。

舞浜海洋国家「ルネサンスから見るメディテレーニアンハーバー」2023-05-31(最終更新日:2025-05-26)

記事の該当箇所

 

太字で強調した箇所に同様の言い回しが見られるのがわかると思います。

正直、普通なら言いがかりレベルではありますが、これまでのことを踏まえるとどうしても勘ぐってしまいますね。

 

まとめと教訓

ということで、『くわしすぎる大図鑑』の疑惑について見てきました。

この記事で書いたことが事実であるとは断言できませんが、自戒を込めて、少なくとも以下のことは言えるでしょう。

今回のことに限らず、BGSを調べていく中で参考にしたものがあれば、それを併記すること、最低でも自身で控えておくことが必須と言えます。

例えネットに書く情報であっても、最大限の注意を払っても損はないように思えます。自分の発信する内容には責任を持つことが大事ですよね。

自分自身、そのことを反省する良い機会になりました。

 

最後に

今回の記事は、『くわしすぎる大図鑑』および出版社様への誹謗中傷を目的とするものでも、糾弾しようとするものでもありません。

ただ、個人の範囲で書いた妄言が、仮にも「公式」情報として公共の出版物に記載され、意図しない形で多くの人に伝わってしまっているのであれば、非常に心苦しいものがあります。(こともあろうに、これが「くわしすぎる」を名乗った書籍であるという皮肉......)

特にこの書籍を出版した講談社様は、東京ディズニーリゾートのスポンサーであると同時に、多くの専門的な学術書を出版している企業でもあります。

そのような企業が、ネット上の真偽不明の情報を書籍に掲載しているとしたら、私個人としても非常に悲しいですね。

 

確かに、パークで壁や地面や岩を熱心に眺め、議論することを楽しむこの界隈は「深淵」です。

そして、深淵であることを良いことに、公式HPや講談社様の公式ガイドブックの記述に日々ケチをつけています。

しかし、今回のことがもし事実なのであれば、向こう側を見ているのは私たちだけではないことに気をつけていかねばならないでしょう。

 

深淵(BGS界隈)が講談社をのぞく時、講談社もまた深淵をのぞいているのかもしれません。

 

この界隈がますます活発になり、そして健全な発展をしていくことを願って、この記事の締めとさせていただきます。

 

mkaiyoh.jp

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