こんにちは!つばさぬです。
2024年中に旅行記を書き終えるという目標は達成できなかったものの、ひとまず今回でDLR旅行記は最後になります。どうぞ最後までお楽しみいただければ幸いです。
というわけで前回DLR旅行記④の続きになります。
いきなりですが、海外パークといえばS.E.A.ですよね!
今回旅行したアナハイムのディズニーランドにもしっかりと、S.E.A.の要素を見つけることができます。ということで、この度の旅行で見つけてきたディズニーランド・パークのS.E.A.関連のものについて話していきます。
ちなみに、この記事はあくまで考察系の記事ではなく旅行記なのでその点ご留意ください。
目次
一応説明しておくと、S.E.A.とは、先日頒布した同人誌『細かすぎて伝わらないTDR』付録の用語集によりますと、(唐突な宣伝)
Society of Explorers and Adventurers(探険家・冒険家学会),「フォートレス・エクスプロレーション」を拠点として活動している1538年設立の組織であり、コロンブスやレオナルド・ダ・ヴィンチといった実在の冒険家や学者らによって結成されている。
後に19-20世紀を舞台とする香港ディズニーランドのアトラクション「ミスティック・マナー」にて同名の組織が登場し、東京版「タワー・オブ・テラー」のハイタワー三世も同組織の会員であることが示唆された。それ以降アナハイム、フロリダ、香港、パリといった世界中のディズニーパークのアトラクションやレストランにおいてS.E.A.が登場するようになった他、同組織を題材とした小説も展開され、現代までS.E.A.が続いていることが言及された。2019年オープンの「ソアリン:ファンタスティック・フライト」は大々的にS.E.A.と関わりのあるアトラクションとなっている。ファンの間ではフォートレスの舞台となっているルネサンス期のものを元祖、それ以降の近現代のものを再興期と呼び分ける場合もある。
両者の関係は曖昧なものとされていたが、2022年に開催されたディズニーファン最大のイベントD23 Expoにて、S.E.A.の設立から現代までの年表が公開され、その詳細が明かされた。なお、略称の「S.E.A.」はディズニーシーの「Sea」の文字りだと考えられる。
とのことですね!(長い)
世界中のディズニーパークで同一の組織のプロップスが置かれているのはやはりロマンがあります。元は東京のフォートレスからスタートしたS.E.A.が、今やイマジニアの内輪ノリに見えなくもない感じで海外展開していること(あくまで私見です。)については一概には良しと言えない気もしますが、一応S.E.A.好きを名乗ってはいるのでここは純粋に楽しみましょう。
海外S.E.A.の情報については、敬愛するアクセルさん(X:@Axel_1864)の運営するサイト『S.E.A.大百科』を全面的に参考にさせていただきました。(というか現地で見ながら探しました。)大変ありがたいことに僕が今回の旅行で撮影した写真も使っていただいているので、よろしければ是非ご覧になってください!
seadictionary.disneyparkstory.com
トロピカル・ハイダウェイ
アドベンチャーランドにあるレストラン、トロピカル・ハイダウェイにはS.E.A.会員たちの名前が書かれたオールが壁に並んでいるのを見ることができます。恐らく、後世のS.E.A.会員であることが判明している人たちの名前を一度に一番多くみられる場所であると思われます。
ちなみに、当然と言えば当然ですが、立ち止まって壁にならんだプロップスをまじまじと見て写真を撮っている人は、この奇妙な日本人以外誰一人いませんでした。
せっかくなので全員分のオールを見てみましょう。オールには人物名の他に川の名前と、それらの恐らく川を下った年代が書かれています。中には東京ディズニーシーに馴染み深いあの名前もあったりします。(各人物の名前をクリックすると、S.E.A.大百科の説明ページにとびますので、詳細は是非そちらをご参照ください。)
カメリア・ファルコ
1831
早速馴染み深い名前が出てきましたね。東京ディズニーシーの「ソアリン:ファンタスティック・フライト」でお馴染みです。どうやら彼女の名前の初出はこのオールのようですね。
ザンベジ川はアフリカを流れている川ですね。カメリア・ファルコはアフリカに行ったことがあるのでしょうか。
バーナバス・T・ブリオン
1870
フロリダ版ビックサンダー・マウンテンに登場する人物のようです。
コロラド川は言わずと知れたアメリカの川ですね。ウエスタンリバー鉄道の機関車の名前にもなっていたりします。
ジェイソン・チャンドラー
1882
元は実現しなかったエリアの登場キャラだったようですが、S.E.A.の海外展開と同じタイミングで復活、東京の「ソアリン」にもその名が登場する人物のようですね。
エラホ川はカナダの川。
ヘンリー・ミスティック卿
1874
S.E.A.世界展開の発端となった香港ディズニーランドのアトラクション「ミスティック・マナー」の主要キャラで、だいぶマイルドなハイタワー3世みたいな人ですね。
ガンジス川は言うまでもなくインドの川です。
サンゴ・ショー
1910
名前だけが判明している人物のよう。名前はまんまサンゴ礁ですね。かわいい。
ハリソン・ハイタワー三世
1872
みんな大好きハイタワー三世ですね。オールに爪痕がついているのは、彼の危険で勇敢な冒険の象徴なのか、はたまた後に彼に訪れる悲劇を暗示しているのか......。
長江は中国を代表する河川ですよね。ホテルハイタワーには、古代中国のものなんかも置いてあるので、彼が中国を訪れていたのは確実ですが、2006年発行の『海の絵本』(講談社)に書かれた年表では、
1874年 39歳。日本、中国、モンゴルなどアジア探検。
となっており、年代に齟齬が起きてしまいます。まあこうしたズレはたまにあることなので、深く考えずいきましょう。
J・L・バティリスタ博士
1906
「ミスティック・マナー」に飾られているメンバーたちの集合絵に描かれている人物のようですね。
コンゴ川はアフリカの川で、ハイタワー三世がシリキ・ウトゥンドゥを入手した場所として知られています。
大百科によれば、モデルはイマジニアのJoe Lanzisero氏だろうとのこと。確かに似てる。(下記リンク先参照)東京ではアラビアンコーストやマーメイドラグーンなどの制作に携わったお方ですね。
余談ですが、なぜか彼と後述のブラウアーヒンメル教授のみオールの字のフォントが違いますね。
アルバート・フォールズ博士
1903
フロリダのジャングルクルーズおよびその関連レストラン「スキッパーキャンティーン」にがっつり関わるキャラのようですね。
ムベヤ川は中央アフリカを流れる川だそう。
R・ブラウアーヒンメル教授
1904
後述するベンガル・バーベキューでその名を見ることができます。
メアリー・オーシャニア
1899
WDWにあるウォーターパーク「タイフーンラグーン」やディズニークルーズに登場するキャラとのこと。純粋なディズニーパークの外にもS.E.A.は進出しているんですね。
オリノコ川はこれまた南米の川だそうです。
メリウェザー・アダム・プレジャー
1900
かつてWDWに存在していたナイトクラブ「アドベンチャラーズクラブ」に登場したキャラのようですね。こういう風にして没になったものや既に無くなったものを復活させられるのは、S.E.A.の世界展開の良い点ですね。
ちなみにキシミー川はフロリダの川でWDWの割と近くを流れている川ですね。
シェフ・タンタジ
1913
シェフですね。
イラワジ川はミャンマーの有名な川。
コン・チウュノスケ博士
カサイ川
みんな大好きコン・チュウノスケ博士。本国のジャングルクルーズのリニューアルで、サイに襲われながら登場するようになった人物だそうですね。名前まんまやん!と思ってしまいますが、よくよく考えるとハイタワー三世もミスティック卿もまんまなので、その感覚なのでしょう。
このオールと次のアヤ ・アメ=ボーシエルは、各アトラクションの誕生に合わせて後から新しく追加されたオールのようです。そのため、今後も新メンバーの登場によってオールが増える可能性も無きにしも非ずですね。
カサイ川は一瞬、葛西!?と思ってしまいますが、「葛西川」なんて日本にはないのでアフリカにある川の方でしょう。
アヤ・コアメ=ボーシエル
1934
恐らく現状で最新のS.E.A.メンバーがこの人物です。それもそのはずで、後述する「アドベンチャーランド・ツリーハウス」で初めて名前が登場したメンバーなんですね。
大百科では、彼女がコートジボワール人ではないかと推測されていますが、奇しくもオールに書かれているバンダマ川はコートジボワールにある川ですね。
彼女のオールには望遠鏡が取り付けられていますが、詳しくは後述するようにこの人物は天文学者であるため、恐らくはそのことに関連しているのでしょうね。
ベンガル・バーベキュー
続いて前述したこちらのレストラン。なぜかS.E.A.関連のプロップスがいくつか置かれています。ちなみに店内のプロップスを見回してみましたが、見た感じS.E.A.に関連するものは大百科でまとめられていた下記の三点のみでした。なんか中途半端。
S.E.A.メンバーたちの絵画
後世S.E.A.メンバーの存在を知らしめた、ミスティック・マナーにあるものと同じものが飾られていますね。要するに使いまわしです。
ブラウアーヒンメル教授のポストカード
思ったより高い位置にあり、意外と見つけるのが大変でしたが、しっかり見つけることができました。何かストーリーがあるというよりは、イースターエッグ的な感じがしますね。
謎の写真
本当になんでか、ミスティック卿の相棒の猿のアルバートのぬいぐるみが写っている写真があります。こちらはかなりわかりやすい場所にありました。詳しくは大百科をご参照ください。
アドベンチャーランド・ツリーハウス
ツリーハウスの大元である「スイスファミリーロビンソン」にインスパイアされていることが示されている。
ということでメインディッシュにやってまいりました。2023年のリニューアルにより、S.E.A.の要素が大幅に追加され、アナハイムのフォートレス・エクスプロレーションとも名高い(勝手に言ってるだけ)アトラクション「アドベンチャーランド・ツリーハウス」です。
このツリーハウスに住む一家は発明家で芸術家の父、音楽家の母、天文学者(志望?)の長女、動植物好きの双子、そしてダチョウのジェーンというメンバー。
S.E.A.の要素があるのは長女のお部屋。コンセプトアートが公開されたときから、まるでチェインバー・オブ・プラネットのようだと僕の中で話題になっていました。このツリーハウスについて話したいことはたくさんありますが、それはまたの機会にするとして、今回はS.E.A.の要素が見られるものを見ていきましょう。
まずは長女の部屋の外にある箱。こちらは地上からも見ることができます。
このタイプの紋章は、フォートレスのものだとラテン語で"Exploratio Continua"(「終わりなき探求」的な意味)と書かれているのですが、こちらでは"Auxilia Adulescens"と書かれています。ラテン語で"auxilium"は「援助」といった意味、"adulescens"は「若者」のような意味になりますので、直訳で「若者の援助」といった意味になります。たぶん。
(が、細かいことは省きますが、この2つの単語は性数と格が一致していないため、文法的には誤っています。まあディズニーパークでラテン語のミスはよくあることなので大目に見ましょう。)
何はともあれ、字義通りに受け取れば、この時代のS.E.A.は若者への支援や援助と言ったことにに力を入れているようですね。
S.E.A.が若者への支援というか後進育成に力を入れている様子は、部屋の中からもうかがえます。
S.E.A.入会希望者向けガイド
いきなりですが、なんと入会希望者向けのガイドブックなんてあるんですね。しかも記述を見るに、既に何回もガイドブックは出版されていることがうかがえます。いつの間にそんなしっかりとした組織になったんでしょうか。
S.E.A.入会申込キット
なんと入会用の申込キットまで誕生しているようですね。(かつては謎解きをするだけで会員になれたのに......。)これらのものを見るに、この部屋の長女はS.E.A.メンバーではないものの、会員志望の人物であることがうかがえますね。
S.E.A.公式規約
しっかりとした規約まで公式でまとめられているようですね。一体どんな組織体制なんだS.E.A.め。先ほどから1936年という数字が出てきますが、恐らくこのツリーハウスの舞台となっている年代と考えてよさそうですね。
多分関係ないですが、東京ディズニーリゾートの制作に深く携わり、『海を超える想像力』でも知られる、現OLC代表取締役取締役会議長の加賀見俊夫氏の生年が1936年ですね。
S.E.A.名士録
"Who's Who"とは著名人の人名などをまとめたものを、伝統的にそう呼んだものだとのことです。我々が知っている多くのS.E.A.メンバーは、1850年から1925年を生きた人がほとんどですが、彼らの名前や功績などもまとめられていたりするのでしょうか。
公式会員ファンクラブ
なんとファンクラブの本まで置いてありました。我々の知らないうちに後世のS.E.A.はなんだか結構大きな組織になっていたみたいですね。まあ元祖S.E.A.自体が当時の国王と関わりのあるような組織でしたから特別大きな驚きはないですが。
アヤ・コアメ=ボーシエルからの手紙
さて、部屋の中には一枚の手紙が置かれています。この手紙の差出人こそが、先ほどトロピカル・ハイダウェイのオールに名前が書かれていたアヤ・コアメ=ボーシエルなんですね。
S.E.A.大百科を運営しているアクセルさんに写真をお送りしたところ、なんと有難いことに日本語に全文訳してくださったので、是非ともそちらをご覧ください。
seadictionary.disneyparkstory.com
手紙の内容から、彼女は天文学者であり、将来有望なツリーハウスの長女に望遠鏡のレンズを送るとのことです。チェインバー・オブ・プラネットが大好きな筆者にとっては、後世のS.E.A.に天文学的要素があまりないことを勝手に寂しく思っていたので、こうしてS.E.A.の中でも天文学の系譜が受け継がれていることがわかると嬉しいですね。
終わりに
さて、というわけでこれでアナハイムにあるS.E.A.要素は拾えるだけ拾えたかなと思います。
今後S.E.A.がどうなっていくかは分かりかねるところではありますが、少なくとも海外パークに行く際のちょっとした楽しみとする分には、非常に良いコンテンツだと思います。是非とも次はフロリダのS.E.A.巡りもしたいものですね。
さて、これにて全5回に渡るDLR旅行記は終了となります。長らくお付き合いありがとうございました。自分自身、旅行のときのことを思い出しながら様々書くことができて楽しかったです。これがブログの醍醐味というものですかね。
次回以降は、またいつものような考察(妄想)記事を頑張って書いていきますので、どうぞこれからもよろしくお願いいたします!
それでは!